さらに上達するための”はな丸”は?

星野ピアノ教室講師 星野真由美

生徒さんが”はな丸”をもらえる時の基準ってどんな時なのか?と疑問を持つお母様たちは多いのではないかと思います。私たちピアノ講師も、どんな時にはな丸にするか皆でたまに話題にすることがあります。

私の場合は、ピアノを習い始めた生徒さんが一生懸命毎日かかさず練習して間違えずに最後まで止まらず弾けた時は、はな丸をあげています。側で聴いているお母様はもう少しすらすら弾けるようになるまで、もう一週間練習させたいと思っているかもしれません。でも、はな丸をあげなかったら本人は一生懸命練習して間違えずに弾けたのに、 なんで?と思うかもしれません。一生懸命に練習したのに、がっかりしてしまうでしょう。(楽譜を見て頭で理解してすぐに鍵盤を弾く作業は意外と難しいのです。)

逆にだんだん楽譜を見て弾くことに慣れてきたとき、指の形、フレーズの弾き方、曲想とその生徒さんに順番に課題を増やしていきます。そしてはな丸も当然一回ではもらえなくなります。それぞれの生徒さんが何を今頑張ればクリアできるのかを考え順番に宿題を与えそれが出来たらはな丸にします。

でも、はな丸が一回でもらえなくなると生徒さんはがっかりすることが多いようです。でも1回ではな丸をもらえないことは、良いことなのです。なぜなら1週間の練習より2週間3週間と同じ曲を練習すると以前よりかなり、正しい指の形でしっかり打鍵できますし強い音弱い音の弾き方もできるようになります。

なので、その時その時のレッスンで何が良くできるようになったかを見極めて、聴いているお母様がお家に帰った時やレッスンの後でお子様を褒めてあげるととてもやる気になり、またピアノの練習をがんばろう!と思うはずです。

「楽譜を見て弾けるようになってるね!」
「綺麗な音色で弾けていたよ!」
「ゆっくりとしっかりとした音だったね」
「丁寧に集中して弾いていたね!」
「楽しそうに弾けてたね!」・・・・・・

習い始めはまず、温かく見守って練習してくれるような声掛けをしていくことや励ましの声がお子様にとって大きなやる気の力になるでしょう。ちょっとピアノの練習から離れてしまったら、「○○○ちゃんのピアノの音聴きたいな~」と言ってみたらどうでしょうか

自分のピアノレッスンでのこと

星野ピアノ教室講師 星野真由美

今月に入ってからの自分のレッスンでは、集中力の難しさを実感しています。集中することは、演奏している私にとっては難しいことだといつも師匠のレッスンでは思い知らされています。たった8小節のアルペジオを弾くのでも一つもミスなくフレーズ感たっぷりにしかも速く弾くことの難しさはいつも痛感しています。

師匠曰く「2回目3回目で正確にミスなく弾けるのではなくて、最初にきちんと弾けなけばいけないです。また、ミスを気にして速度が遅くなってはいけない。」と。

その場では「はい!」とわかったように返事をしますが、(テンポ落とせば弾けるのに~)と思ったり、なかなか指が思うように動かなかったり(家では弾けたのに~)と苦戦します

師匠曰く「家での練習をもっと緊張感持ってやらないといけないです。」とか「家では本番の舞台で弾く時のように!1曲1曲集中しなさい!!」と。

確かに、余計なことを考えず、ただ自分の弾いているピアノの音色に耳を傾けて弾いているとその曲の世界に入っていけるような心地よい気持ちになります。失敗しないように!とかうまく弾こう!なんて思ったら頭の中はそんな思いがぐるぐる廻ってただ一つ一つの音符を正確に弾くだけに終わってしまい、何とも味気ない演奏になっていきます。不思議と前者の思いで弾いた方がミスなく弾けてしまいます。終わった後 『あれれれ・・・間違えずに弾けたんだ・・』という自分がいます。レッスンが終わった後は、ものすごく緊張と集中したせいか、かなり体はくたくたになります。でも、爽快感もあって幸せな気分にもなれます。集中を長い時間持続させることが私の今後の課題だと感じたレッスンでした。そのためにも自分の奏でる音を良く聴くことも意識しなければいけません。でも普段の自分の練習時間を長時間捻出するのは、難しいのが現状です。短い時間だからこそ集中して取り組まなければいけないのですね

家での練習が本番の心構えで、舞台の本番をいつもの家で練習しているときのようであることが理想ですね
がんばらねば!

 

生徒さんの指導案に改めて思うこと

星野ピアノ教室講師 星野真由美

毎月一度集まるピアノの先生方との勉強会ですが、今月のテーマは『生徒の指導案』についてです。集まってただ話し合うのではなく、それまでに自分が毎回作っている指導案を提出しなければいけません(集まる1週間前までに)。生徒の指導案は各生徒ひとりひとりに合わせて毎回レッスンの前にノートに大まかに書いてその日のレッスンの流れを確認します。

もちろん先生方によって指導案の作り方は違っていると思います。私の場合は教室に入ってピアノの挨拶から書いています。挨拶はとても大事です。その日の生徒さんの様子がわかります。「こんにちは!」の元気な声の時もあればちょっと控えめな声の時もあります。そんな時は、ちょっと疲れていたり風邪気味だったりです。その時の生徒さんの体調を確認してから指導に入ります。

生徒さんが玄関から入り教室に入ってから、小さいお子さんは自分でレッスンバックから自分の使うテキストを取り出します。小さい机の上に書くテキスト、色鉛筆を用意してからピアノの教本、レビューカード、連絡帳を渡してもらいます。(背が小さいので私が楽譜台に置きます)それからピアノで挨拶をして椅子に座るのです。
この一連の動作は年少さんでも自分でしてもらっています。だいたいお母様たちも優しく見守ってくれています。小さいけれど一人でこの動作をするまでは、時間がかかりますが、本人がこれからピアノのお稽古なんだというスイッチを入れること、テキストの確認をしながらその場所に置くということも自分ですることによって、自分のことは自分でするという自覚も持てます。

さあ、レッスンに入ります。レビューカードを私はちらっと横目で見てどのくらい練習したか確認(2~3秒)。なんの疑問もなく練習してきているお子さんは、そのまま弾きはじめます。ちょっと難しかったり苦手なところがあったりしたお子さんは、最初にお話してくれるので、ゆっくりと一緒に確認しながら進んでいきます。
ピアノの後は、簡単なリズムカードやフラッシュカードをしたり、聴音をします。そして、最後にまたピアノで御挨拶をしておしまいです。帰りにはお楽しみの出席シールをはります。
小さいお子さんが、この流れをスムーズに進めるためにはだいたい2~3か月くらいかかります。また、お子さんによってはなかなか私とお話ができない時があります。そんな時は、私自身の言葉かけ 、アプローチの仕方を反省するようにしています。
それぞれのお子さんのお顔が違うように性格もそれぞれです。また、進度も様々です。

一人ひとりを良く見て、指導をしていくためにも日々のレッスンの指導案や記録はやはり大切だと改めて感じました。
記録をすることによって、生徒さんのレッスンの進歩を確認でき、練習量に伴っての結果も感じることができます。ただ、日々の記録はレッスン時間内で私が書くことはできないので(レッスン中で書く時間はとれないので)、その日の終わってからの振り返りとして書き納めています。レッスンを充実させていくために私にとっては大切な作業です。やりっぱなし、思いつき、いきあたりばったりのレッスンには決してなってはいけないためにも、毎日続けていくことの一つになっています。
そして今月の勉強会で他の先生方の指導案を参考にさせていただき、良いことは取り入れ自分の指導の向上につながるように勉強してきたいと思っています!